近年、医療機関にとって院内感染対策が最重要課題の一つとなっており、とくにMRSAなどの多剤耐性菌による感染症が難しい問題を抱えています。院内感染による死亡例や訴訟などがニュースで大きく報道されたことをきっかけにして一般市民の間にも院内感染への危惧が高まっており、病院経営の面でも感染対策は必至です。
多剤耐性菌による感染症は治療・予防ともに難しさがあり、従来の感染対策の徹底だけでなく新たな対策法の開発が望まれます。そうした新しい方法として注目されているのがオゾンによる殺菌です。オゾンは安全性や環境へのやさしさという点でも優れており、医療機関の利用者と従事者、そして近隣社会にも受け入れられやすく、持続しやすい感染対策と言えます。
そこで今回はオゾンを院内感染対策に用いる利点やオゾンの活用例について紹介します。有効な感染対策を模索している医療機関関係者はもちろん、安心安全な医療を望んでいる一般市民の方にも理解を深めていただけるよう、オゾンについて抗生物質や従来の殺菌剤と比較しながらわかりやすく解説していきます。
オゾンの性質
院内感染対策への活用を解説するための準備として、まずオゾンという分子の性質を簡単に紹介します。
オゾンの酸化力
オゾン(O3)は酸素(O2)と同じく酸素原子(O)だけからなる分子です。一見すると原子の数が1つ違うだけのようですが、性質は大きく異なります。とりわけ顕著なのが酸化力の強さです。
酸化はありふれた化学反応です。木や紙が「燃える」のも食物や金属が「腐食する」のも酸化作用です。飲食物が「消化・分解」される過程でも酸化が大きな役割を果たし、その際に発生するエネルギーが生体内でさまざまな用途に使われます。ごく大ざっぱに言ってしまえば、酸化はモノを分解する方向に働くと考えることができるでしょう。
酸素もモノを酸化する力の強い分子ですが、オゾンはそれ以上で、通常見られる物質のなかではフッ素に次いで2番目に強い酸化力を持っています。そしてこの酸化力こそがオゾンの殺菌力のもとになっているのです。ただし酸化力が強いだけに低い濃度でなければ人体に有毒です。オゾンを適切な濃度で管理することで、人体や環境に無害な殺菌剤として利用できるようになります。
オゾンの不安定性とオゾン層
大気中のオゾンの9割は成層圏(地上から約10~50 km上空)にあり、そこでオゾン層を形成しています。オゾン層が太陽から降り注ぐ紫外線を吸収し地表の生命を守っていることは広く知られています。紫外線は電磁波の中でもエネルギーが高く、強い紫外線に長時間さらされるとたんぱく質やDNAの損傷につながる恐れがあるのです。
通常なら酸素原子は2つが結合して酸素分子として存在するほうが安定しますが、成層圏ではエネルギーの高い紫外線が酸素分子と衝突し、分子を原子に分解してしまいます(下図①)。その際に紫外線はエネルギーとして酸素原子に吸収され、酸素原子の活性を高めます。そして活性化した酸素原子が酸素分子と出会うと化学反応を起こしてオゾンを形成します(下図②)。
しかしオゾンは不安定な分子で、ふたたび紫外線を受けるか別の酸素原子と反応することで酸素分子に戻る(下図③)ため、成層圏のオゾンの量は一定の範囲にとどまり、安定したオゾン層が形成されます。このように、オゾン層の形成と紫外線の吸収は対になって起こる現象なのです。
オゾンの生成と分解(③ではオゾンが酸素原子と反応して酸素分子に戻る場合だけが示されています) 画像出典:気象庁ホームページ
こうしたオゾンの生成反応を地上で人工的に起こし、さまざまな用途に利用しようとするのがオゾン技術です。オゾンはたやすく酸素に逆戻りし、有害な副産物を出さないため、従来の消毒薬などと比べて環境中に残りにくいという利点があります。
なぜオゾンは院内感染対策に最適か?
上述の通り、感染予防におけるオゾンの有用性は強い酸化力と独特の不安定性にあります。これらが院内感染対策にとってどんな意味をもつか、もう少し具体的に見ていきましょう。
オゾンのメリット① 薬剤耐性病原体への対応
出典:政府広報オンライン「抗菌薬が効かない『薬剤耐性(AMR)』が拡大!一人ひとりができることは?」
オゾンは薬剤耐性に関わりなく効果を発揮するだけでなく、新たな薬剤耐性を発生させいないというメリットがあります。
薬剤耐性病原体とは
「耐性」とは病原体が薬剤に対し抵抗力を持ち、作用を受けつけないことを言います。現在さまざまな抗生物質や抗ウイルス薬が利用されていますが、特定の病原体に対しそれまで効果を発揮していた薬剤が急に効かなくなるということがあります。その薬剤にさらされているうちに、突然変異によって耐性を獲得してしまうのです。これが「薬剤耐性」です。
特定の薬剤にさらされて暮らしている病原体にとって、その薬剤に耐性を持てば生存に非常に有利になります。病原体である細菌やウイルスは人間などとは比べものにならない速度で増殖しており、その度に突然変異の起こる可能性があるため、耐性を獲得するチャンスも巡ってきやすくなります。そして実際に耐性を獲得する個体が現れると、同じ耐性をもつ同種の個体がまたたく間に増殖してしまうのです。
治療の現場でいささか見境なく抗生物質に頼ったことが一因となり、多くの病原体が薬剤耐性を獲得していきました。ある薬剤が効かなくなると別の薬剤を開発し、それに対する耐性が現れるとまた別の薬剤を開発するという「いたちごっこ」に陥ったり、効果を慎重に検討せずに不必要な抗生物質まで投与し続けたりしたせいで、複数の薬剤に対する耐性を持った「多剤耐性菌」というやっかいなものまで生み出してしまいました。
度々ニュースを賑わせるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)は代表的な多剤耐性菌の一つで、メチシリンを初めとする多数の抗生物質に耐性があります。MRSAに有効な抗生物質は存在しますが、代表的な治療薬に対する耐性の傾向も出現してきており、いたちごっこは今も続いています。
医療現場では抗生物質の乱用への反省が広がっています。新たな耐性の発生を抑えるためには診断と処置に厳密さが求められますが、研究の現場ならともかく、命に関わる緊急事態が発生している治療現場ではなかなか難しい面があります。
オゾンと抗生物質・抗ウイルス薬の違い
一般的に、抗生物質は細菌を攻撃する際に特定の部位を通って侵入し、特定の部位(作用点)に結合して作用し、特定の機能を破壊して細菌を殺します。そのため、比較的小さな変異が細菌に起こるだけで侵入や作用がブロックされてしまう可能性があります。このことも薬剤耐性を生みやすくしています。
抗ウイルス薬はウイルスを破壊するのではなくウイルスの働きを阻止することで効果を発揮します。その点では抗生物質と異なりますが、薬剤がウイルスの特定の部位に作用するという点では同様の働きをします。したがって薬剤耐性の生じ方も同様です。
一方、オゾンは細菌やウイルスに多方面から襲いかかります。細菌の細胞壁・細胞膜やたんぱく質を強い酸化力によって損ないDNAも破壊して細菌を殺し、ウイルスのたんぱく質やDNA・RNAを損傷して機能不全に陥らせます。酸化というのは非常に一般的な反応であるため、特定の部位や機能ではなく多方面に作用するわけです。
オゾンが細菌を攻撃する様子 画像出典:三協エアテック「オゾンについて」
多剤耐性菌に対するオゾンの効果
オゾン水(オゾンを水に溶かし込んだもの)のMRSAに対する殺菌効果を調べた実験があります。濃度6.5mg/Lのオゾン水にMRSAの菌液を投入したところ、5秒以下という短時間で十分な殺菌が行われました。MRSAに最も有効とされるポビドンヨード系消毒剤の効果と比べて全く遜色ないレベルだということです。
同じ研究グループがオゾン水の殺菌効果を実際の医療現場でも試験しています。新生児集中治療室の看護師を対象とした実験では、濃度4mg/Lのオゾン水による15秒の手指洗浄で十分な効果が得られました。ポビドンヨード系消毒剤で15秒間手指洗浄してから手指消毒用ローション剤を噴きかけた場合と比較して、より高い効果が得られた例もありました。
気体状のオゾン(オゾンガス)を用いてインフルエンザウイルスへの効果を調べた実験もあります。実験条件の詳細はここでは省きますが、10ppmと20ppmの濃度のオゾンガスにより99.9999%以上のウイルスが増殖力を失い活動を停止しました(ppmという単位については次の節で解説します)。
オゾンのメリット② 安全性
オゾンは濃度によっては人体にとって猛毒となります。しかし低濃度で適切な管理を行えば人も含めた動植物に無害にできます。
オゾンの濃度
実際のところ、オゾンは地表付近でも低濃度で存在しており、気象庁の観測点では10~60ppb程度が例年観測されています(下図)。このppb(十億分率)という単位は環境関係のニュースでよく耳にするppm(百万分率)と3桁違い、ppmはパーセント(百分率)と4桁違います。したがって「10~60ppb=0.01~0.06ppm=0.000001~0.000006%」です。
気象庁観測点でのオゾン濃度 画像出典:気象庁ホームページ「地上オゾン」
オゾンは特有のニオイを持ち、0.02~0.05ppm程度の低濃度でも感じ取ることができると言われています。一方で、オゾンは腐敗臭などのもととなる有機成分を分解することができ、ごく低濃度でも脱臭作用を持ちます。自然環境でもこの効果は発揮されているようです。
いくつかの業界団体がオゾンの許容濃度の基準を定めており、各メーカーはそれにならって機器を開発しています。厳重な管理が可能な産業現場を想定した基準では許容濃度は平均0.1ppm以下、家庭用途を含む場合は平均0.05 ppm以下というのが慣行です。これらの値は地表付近で普段観測される値の平均から上限にあたります。
オゾンの分解
オゾンは通常の環境では放っておいても自然に酸素へと分解されますし、オゾンと反応して化合物を形成する有機物質やイオンがあれば濃度低下は速まります。
オゾンガスの半減期(濃度が半分になるまでの時間)は1~2時間、オゾン水の半減期は30分程度といわれ、従来の消毒剤に比べ非常に短時間で分解されます。実際の半減期はオゾンと反応する物質の存在量、温度、pHなどにより大きく変化します。ある実験では、水道水と同様の水(総硬度90mg/L・pH7.5)に溶解したオゾンの場合、半減期が水温25度では20分以内、15度では35分程度でした。
オゾン機器で比較的高い濃度のオゾンを発生させる場合、使用後にはできるだけ速く濃度を低下させたほうが安全性や利便性が高まります。オゾンの分解を促進することで迅速に濃度を下げる方法がいろいろと開発されています。例えば、二酸化マンガンなどの触媒や活性炭のフィルターにオゾンを吸着させて分解する方法は比較的低コストですむという利点があり、オゾン機器に広く使われています。
オゾン機器のタイプ
ほこりや花粉などと一緒に病原体を機器が吸い込み機器内部でオゾンによる殺菌を行うタイプでは、機器外に漏れる濃度が上記の値以下になるよう設計されています。
オゾンガスを室内に放出するタイプは、殺菌ガスが部屋の隅々にまで達するというのが利点です。ごく低濃度のガスを放出する装置は有人状態で利用可能ですが、殺菌力を重視してやや高い濃度のガスを放出し燻蒸を行うタイプは人や動物のいない状態で使用しなければなりません(要するにゴキブリ退治の燻蒸剤と同様です)。メーカーの多くは観葉植物も室外に出すことを推奨しています。オゾン分解機能がついた機器ならば短時間で十分な分解が行われ、入室が可能となります。
なお、天然ゴム類はオゾンで劣化しやすいことが知られており、燻蒸タイプの機器を使うときにはカバーで覆うなどの処置が必要です。鉄・亜鉛などもオゾンで劣化しやすい物質ですが、塗装・コーティングが施されていれば問題ありません。
オゾン水の人体への作用
オゾン水は消毒・殺菌の手段として食品分野でも活用が広がっています。以前から広く用いられている次亜塩素酸水と同じく食品添加物としての認可も受けています。
次亜塩素酸水は塩素を使うため利用にあたっては数々の注意点があります。手荒れや炎症を招きやすく、原液を扱う際には保護メガネやマスクの着用が求められます。塩素は分解しにくいため、次亜塩素酸水で野菜などを洗ったあとは改めて水で洗い流さなければなりません。一方オゾン水であれば食品に残留しないため二度洗いも不要で、野菜の殺菌に使用する濃度(0.3~1ppm)程度であれば目や口に入っても問題ありません。
オゾン水を院内感染対策に適用した実験(上記)では4ppmのオゾン水で頻回の洗浄が行われましたが、手荒れは少ないことが確認されています。
オゾンのメリット③ 環境負荷の低さ
オゾンはすぐに酸素に分解されるか化合物に変化していき、有害な副産物を残すことはありませんし、高濃度のオゾンを短時間で分解することも難しくありません。したがってオゾンによる殺菌は環境負荷の低いクリーンな方法と言えます。
食品工場などで大量にオゾン水を使う場合でも、高濃度のものは低濃度化して排出すれば問題はなく、低濃度のオゾン水は排水溝や側溝の有機物質を分解し脱臭・除菌の効果を発揮することさえあります。
医療現場では器具や手指の洗浄・殺菌により大量の廃水が発生します。分解しにくい洗浄剤・殺菌剤が大量に排出されると、下水の生物処理装置に悪影響を与えかねませんが、オゾン水はもともと分解しやすい上に血液や細菌、有機物質などと反応して濃度が速やかに低下するため、こうした問題は起こらないと考えられます。
オゾンのメリット④ ランニングコスト
従来の殺菌・消毒剤は購入費だけでなく保管場所の維持・管理のコストがかかりますが、オゾンは空気中の酸素から作られるため、こうしたコストが不要です。また、設置と運用にあたって法定の管理資格や環境測定も求められません。ランニングコストは電気代とフィルター交換などのメンテナンス費用だけで済みます。
オゾンのメリット⑤ 局所の消毒にも環境管理にも適用可能
オゾンはガスとしても水溶液としても使え、濃度調整によってさまざまなレベルの殺菌に適用できます。医療機関では器具の洗浄から空気の浄化まで幅広いニーズが混在しており、オゾンは使い勝手のよい手段です。脱臭効果も経営上見逃せません。
次の節ではオゾンの幅広い用途を少し具体的に紹介しましょう。
院内感染予防のためのオゾン活用例
病院とクリニック(歯科医院)に分けて活用例を見ていきます。
病院/手術室・内視鏡室
高度な感染対策が求められる手術室では、燻蒸による殺菌が効果を発揮します。天井埋め込みタイプやキャスター付きで移動が容易なタイプなどは手術室での運用に適しているでしょう。
また、消化器内視鏡を消毒する装置など、各種器具に適応した製品も開発されています。
上記実験にある通り、処置前後の手指や器具の洗浄・消毒にはオゾン水が活用できます。
病院/待合室・診察室・病室・ナースステーション
外来部や病棟で日頃から感染症予防を行うには吸引式オゾン除菌装置の設置やオゾン水による洗浄・清拭が有効です。インフルエンザ(とくに新型)の流行時期など、燻蒸によって隅々まで除菌することが求められる場合・場所もあるでしょう。食中毒発生後の処置などにもオゾンが活用できます。
有人状態での吸引式除菌と無人状態で行う燻蒸式除菌を切り替えられるタイプも発売されており、外来・病棟への設置には最適と言えます。
待合室・診察室、病棟の病室・トイレなどでは、脱臭によって快適さを高めることも求められます。オゾンによる殺菌・除菌装置により同時に脱臭効果も得られますし、より低濃度のオゾンを放出することで常時脱臭を行う装置もあります。
病院/リネン
リネン洗浄は多くの病院で外部委託していることと思いますが、感染性のリネンは外部に出す前に消毒しなければなりません。リネン向けの大きな消毒装置が発売されています。
病院/厨房
ノロウイルスを初めとした食中毒菌への対策として、オゾン水による洗浄・除菌、オゾンガスによる燻蒸などが有効です。
歯科医院
画像は歯科医院で利用されるオゾン水生成器「オゾンバスター」
クリニックの例として歯科医院を取り上げます。
歯科は器具・手指が粘膜に触れる機会が多く、血や唾液とともに病原体が飛散・浮遊しやすい環境であるため、比較的高度の感染対策が求められます。インプラント手術を院内で行う場合には条件はとくにシビアになります。
近年では、器具滅菌装置(オートクレーブなど)を高度の衛生基準を満たしたタイプに入れ替えたり、口腔外バキュームや空気清浄機を導入したり、施術の種類ごとに個室を用意するなどして院内感染対策に努める医院が増えています。
オゾン除菌装置やオゾン水を導入することは、高度の殺菌、医院利用者にとっての安全性、低ランニングコストというメリットを兼ね備えています。オゾン水は器具・備品・手指の洗浄水としてもうがい水としても利用でき、オゾン水を医院全体の各ユニットに供給するシステムなども開発されています。
感染予防とは別ですが、歯科では脱臭の効果も大きいと言えます。歯科医院特有の「ニオイ」は利用者の緊張や不安を増してしまいがちで、緊張や不安があると痛みに敏感になり、快適な治療につながりません。待合室や診療室にアロマテラピーを導入する医院も増えていますが、そうした香りを嫌う利用者もいます。強い香りで隠す代わりにオゾンでニオイを取り除けば、より広い利用者に資することができるでしょう。
オゾンによる院内感染対策まとめ
オゾンは殺菌力や使い方を柔軟に調節でき、環境に残留しないという特質を持っています。高度な殺菌から脱臭による快適化まで、特定の効果を特定の場所にだけ発揮させることが容易で、「適材適所」で運用しやすい物質です。予防力と経営力を同時に向上させられる院内感染対策法だと言えるでしょう。
オゾンの「適材適所」の可能性に期待し、最後に少し一般的な話をして締めくくりたいと思います。
公害への反省から20世紀にはさまざまな排出・利用規制が試みられ今に至ります。21世紀には抗生物質の乱用への反省が始まっています。しかしながら、幸福と利便性への希求、経済的都合、現場での緊急性や判断の難しさなどが相まって、どんな分野であれ改革はなかなか進まず、そうこうする間に新たな問題が次々と立ち上がってくる、というのが実情でしょう。医療などの分野では幸福と繁栄の敵を抑え込む「武力」を高めることに今でも重心が置かれがちだと言えます。
「有害」な微生物をひたすら滅ぼし「有益」なものをひたすら増やすといった単純なやり方への反省も、科学界では始まっています。乳幼児期に病原体に接触・感染する機会が減ったことが花粉症やぜんそくの増加の要因であるとする「衛生仮説」や、人体の内部や表面に存在する途方もない種類の微生物は「ヒト以外の生き物」ではなく「ヒトの一部」なのだとする考えが、実験研究の裏付けとともに大きな支持を集めています。
21世紀は「自然との共生」を具体的に、細やかに模索する時代になるのではないでしょうか。「病原体」をひたすら排斥するのではなく、適度に受け入れる。除菌一辺倒ではなく必要な時と場所だけを適度に除菌する。そういった繊細な対策を行っていく上で、「適材適所」で運用できるオゾン技術が役立っていくことを願います。
(参考文献)
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株式会社IHIアグリテック「よくあるご質問」
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https://www.ihi.co.jp/iat/shibaura/ozone/product/ez-2000.html
三協エアテック株式会社「食品分野で多く利用される『オゾン水』と『次亜塩素酸水』の殺菌に関する比較」
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株式会社IHIアグリテック「オゾンってなに?」
https://www.ihi.co.jp/iat/shibaura/ozone/about/index.html
三協エアテック株式会社「天井埋込型オゾン殺菌装置SAT-003TIS」
https://www.sat.co.jp/product/sterilize/sat-tis.php#tab-point
株式会社IHIアグリテック「オゾン室内殺菌装置 OP-10」
https://www.ihi.co.jp/iat/shibaura/ozone/product/op-10.html
株式会社IHIアグリテック「オゾン水内視鏡消毒機 OED-1000S Plus」
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株式会社IHIアグリテック「リモコン式天井取付脱臭装置 eZ-7」
https://www.ihi.co.jp/iat/shibaura/ozone/product/ez-7.html
株式会社IHIアグリテック「オゾンリネン消毒庫 OR-5V」
https://www.ihi.co.jp/iat/shibaura/ozone/product/or-5v.html
株式会社ワイズカンパニー「歯科医院でのオゾン水を利用した殺菌の設計導入事例」
https://www.ozon-uv.com/ozon-water/ow-jirei-dental.htm
株式会社サンダーアールラボ Bio&Anthropos「いま、アレルギーのメカニズムが大きく塗り変わろうとしています」(斎藤博久インタビュー①)
https://www.bio-anthropos.com/2015/12/11/テスト/
別冊日経サイエンス221「まえがき:人と微生物の深くて長い関係」
http://www.nikkei-science.com/page/sci_book/bessatu/51221_prologue.html?doing_wp_cron=1561622109.3729031085968017578125