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【拝啓、自働車業界様】コロナ禍対策は「ウイルスとの共存」が鍵を握るでしょう

自動車業界は、新型コロナウイルスの感染拡大(以下、コロナ禍)で、大きな打撃を受けました。
日産は11年ぶりに、三菱自動車は3年ぶりに赤字に転落しました。そして「世界経済の優等生」のトヨタですら、2021年3月期の営業利益が8割減ると予想しています。

自動車業界はこれまで、ウイルスや細菌との共存を、そこまで真剣に考えてこなかったのではないでしょうか。自動車はウイルスと接触しても肺炎を起こさないので、無菌実験などが必要なエリア以外は、殺菌対策を講じてこなかったとしても無理からぬことです。

しかし、アフター・コロナ(コロナ禍終息後の社会)では、自動車業界にもハイレベルな殺菌などの対策が求められます。
東京アラート(都民への警戒呼びかけ)が2020年6月12日に解除されましたが、自動車業界は油断できません。

自動車業界でもすでにコロナ禍対策は始まっているので、優れた取り組みを紹介します。
また、これまで本格的な殺菌対策を講じてこなかった自動車業界にとって、医療現場のコロナ禍対策は参考になるはずなので、併せて紹介します。
自動車業界も、従業員と客の健康と命を守らなければならず、それには医療レベルの対策が必要です。

自動車メーカー、部品メーカー、販売店、整備工場など、自動車業界が一丸となってウイルス対策に取り組むことで、安心して自動車をつくり、安心して車を売ることができます。

自動車業界が受けた被害の大きさ

【拝啓、自働車業界様】コロナ禍対策は「ウイルスとの共存」が鍵を握るでしょう

ウイルスとの共存方法を考える前に、自動車業界が受けた被害の大きさを確認しておきます(*1、2、3)。

<トヨタ>
2021年3月期(2020年4月~2021年3月)で黒字予想も、営業利益は前期比8割減の5,000億円程度の見通し。2020年3月期の純利益は、前期比10%増2.8兆円だっただけに、今後の落ち込みの大きさが際立つ。

<日産>
2020年3月期(2019年4月~2020年3月)、連結最終損益6,712億円の赤字。赤字転落は11年ぶり。

<三菱自動車>
2020年3月期(2019年4月~2020年3月)、連結最終損益260億円の赤字。赤字転落は3年ぶり。期末配当をゼロにして、役員報酬を減額または返納する。

トヨタの2020年3月期(2019年4月~2020年3月)決算は、コロナ禍期間の「2019年12月~2020年3月」を含んでいるにも関わらず好調でした。
そのトヨタですら、少なくとも2021年3月までは、売上大幅減を見込まざるを得ない状況に陥っています。

*1:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58975520S0A510C2I00000/
*2:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59597920W0A520C2000000/
*3:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58470280U0A420C2000000/

世界的な需要の落ち込みと部品の調達遅れが原因

世界的な需要の落ち込みと部品の調達遅れが原因

自動車メーカーが苦境に立たされているのは「つくれない」からです。
トヨタは国内のすべての完成車工場の稼働を5月5、12、19、26日の4日間止めました。また輸出用自動車の生産も減らしています。トヨタのアメリカ工場は、3月23日から5月1日まで操業を停止しました。
「つくれない」理由としてトヨタは、世界的な新車需要の低迷のため、としています(*4、5)。
日産は栃木県と神奈川県の工場を、6月も一時停止します(*6)。需要の低迷に加えて、部品の調達が難しくなっているためです。

*4:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58568530Y0A420C2000000/
*5:https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/32615777.html
*6:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200519/k10012436811000.html

日本車はアメリカの海の上で待機状態

日本車はアメリカの海の上で待機状態

アメリカ・ロサンゼルスの港では、日本から新車を積んでやってきた貨物船が海上待機する事態が起きました(*7)。
コロナ禍対策で港湾業務の時間が短縮され、自動車を陸揚げすることができないからです。さらに、アメリカのディーラー(販売店)が販売不振に陥り在庫があふれ、新たに日本からやってきた新車を置くスペースがない、という事情もあります。
日本の自動車メーカーにとって重要市場であるアメリカが「買ってくれない」のでは、日本の工場をフル稼働することはできません。

*7:https://diamond.jp/articles/-/238855

部品メーカーで初の倒産

部品メーカーで初の倒産

帝国データバンクによると、コロナ禍の影響としては自動車部品メーカーで初めて、M社(本社・東京)が4月28日に倒産しました(*8)。
M社は業歴が60年以上あり、最盛期には年商が50億円以上あった、フィリピンとメキシコにも進出していた実力のある会社でした。主力製品はプラスチック部品で、自動車関連では、灰皿ケースや小物入れ、エアバッグなどの部品をつくっていました。
海外子会社への投資失敗などで資金繰りが悪化しているところに、コロナ禍に襲われました。完成車メーカー(自動車メーカー)に出荷している部品の売上高が24%も落ち込みました。

帝国データバンクは、自動車部品メーカーのなかには、リーマン・ショック(2008年)の影響から十分に立ち直っていない企業があり、コロナ禍関連倒産は広がる可能性があると指摘しています。

*8:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60069700V00C20A6X12000/

「新車が売れない」嘆く販売店

「新車が売れない」嘆く販売店

自動車業界の困りごとは「つくれない」だけでなく「売れない」もあります。
2020年4月の新車販売台数は、前年同月比25.5%減の大幅な落ち込みで、自動車販売店は5月に入っても「新車が売れない」と嘆いています(*9)。

*9:https://clicccar.com/2020/05/22/979265/

恐竜は絶滅し、哺乳類は生き残った

自動車業界の被害が大きいのは、自働車業界が大きいからです。
自動車産業は日本の基幹産業であり、就業人口は8%、出荷額は18%を占めます(*10)。つまり、「日本の労働者の1割」と「日本の稼ぎの2割」が自動車関連ということです。

大きいことは、強いことであると同時に、もろいことでもあります。
植物学者で静岡大学農学部教授の稲垣栄洋氏によると、6,500万年前まで恐竜が繁栄したのは、恐竜が大きくて強かったからです(*11)。
そして、6,500万年前に恐竜が絶滅したのも、大きくて強かったからです。

6,550万年前に、巨大な隕石が地球に衝突して、大規模な森林火災が起き、灼熱の炎が生物を焼き尽くしました。また、隕石の衝突によって、大量かつ長期間にわたって粉塵が舞い上がり、太陽光が遮断され地球が寒冷化しました。
恐竜は、大きな体に見合うエサと体温を維持するためのエネルギーを確保できず、死滅したと考えられています。

一方で、人類などの哺乳類は、恐竜が入れないような小さな空間に入って、地球の変動をやり過ごすことができました。また、体が小さいので、少量のエサで生き延びることができました。

© Howardsend

コロナ禍も、隕石の衝突ほどではありませんが、地球規模の異常事態といえます。
もちろん、人類の敵であった恐竜と、世界の人々から愛されている自動車は真逆の存在であり、コロナ禍によって自動車業界がなくなることはありません。
しかし、日本の自動車業界は世界中に勢力を拡大させているので、哺乳類が逃げ込んだ小さな空間に入ることができません。
それで自動車業界は、恐竜同様に、地球規模の異常事態を真正面から受け止めることになり大きな損失を生んでしまったのです。

*10:https://nvs.nikkei.co.jp/research/20190320-column-industry-analysis-report/
*11:https://shuchi.php.co.jp/the21/detail/6257?p=3

ウイルスとどう共存するか

自働車業界は、新型コロナウイルスとどのように共存していけばよいのでしょうか。
大きいことが不利に働いているのであれば、小さくなって対策を講じればよいはずです。

小さくわけて、その職場に合った対策を講じる

小さくわけて、その職場に合った対策を講じる

自動車業界は全体としては大所帯ですが、小さくわけることができます。
例えば、自動車メーカー、部品メーカー、販売店、整備工場にわければ、それぞれはかなり小さくなります。
自動車メーカーは単体でも巨大ですが、事務、営業、工場にわければ小さくできます。
このように小さくわかれれば、それぞれが独自に、自分たちの職場に最も適したコロナ禍対策を考えることができます。

ウイルスは動かないから、対策のターゲットは人

ウイルスは動かないから、対策のターゲットは人

ウイルスが脅威になるのは、人がウイルスに近づいたときだけです。
なぜならウイルスは、自分では動くことができないからです。ウイルスは、人が近づいてきたときに感染して、人の体内で増え、人に別の場所に運んでもらい、そこでくしゃみに乗って他の人に感染して広がっていきます。

そこで、自動車業界は、業界内のあらゆる「人が集まる場所」を洗い出して、その場所を殺菌すればよいわけです。
コロナ禍対策のターゲットは、ウイルスではなく「人」です。

自動車業界を小さくわけてみる

自動車業界を小さくわけてみる

自動車業界を小さくわけると、人が集まる場所がかなり鮮明に見えてきます。

  • 自動車メーカーの事務所
  • 自動車メーカーの営業担当者の訪問先
  • 自動車メーカーの工場
  • 部品メーカーの事務所
  • 部品メーカーの営業担当者の訪問先
  • 部品メーカーの工場
  • 販売会社の事務所
  • 販売会社の営業担当者の訪問先
  • 販売会社販売店の店舗(接客場所)
  • 整備会社の事務所
  • 整備会社の工場

この他にも自動車業界の職場には、完成した自動車の運送や、ガソリンスタンド、カー用品店、中古車店などがあります。

これらの職場が、現場の環境を考慮した最適な対策を考えて実行すれば、ウイルスと共存できる自動車業界に成長できるはずです。

最も進んでいるのは販売店か

最も進んでいるのは販売店か

出典:https://tomeikawasaki.vc-dealer.jp/

自動車業界のなかでは、顧客と濃厚接触する機会が多い、自動車販売店のコロナ禍対策が最も進んでいるかもしれません。その一部を紹介します。

販売店のコロナ禍対策メニュー

販売店のコロナ禍対策メニュー

出典:株式会社スズキ自販新潟「お店ブログ」から

販売店は次のような対策を講じています(*12)。

A:営業を自粛したり、営業時間を短縮したりする
B:従業員に、マスク着用、手洗い、うがい、健康チェックを義務づける
C:アルコールなどの消毒液を店舗に設置して客に提供する
D:店内の換気
E:支払いや鍵の受け渡しで客と接触するときは、専用トレイを使う
F:店舗内の商談スペースの椅子や机を間引いたり、キッズコーナーや喫煙室を使用禁止にしたりする
G:試乗車や整備済みの自動車は、室内外を消毒してから客に渡す
H:客にお茶を出すときは使い捨ての紙コップを使う

こうした対応は販売店だけでなく、自動車業界のすべての職場で有効でしょう。
そして、さらに踏み込んだ対策も考えていく必要があります。

ピンチをチャンスに変えるネット戦略

ピンチをチャンスに変えるネット戦略

自動車販売店などでは、ピンチをチャンスに変える検討も始まっています。

客と従業員を守ろうとすると、どうしても客を遠ざける対策になりがちです。上記のなかでは、AとFは客を減らす可能性がありますし、D、E、G、Hはサービス・レベルが低下してしまうでしょう。また、すべての対策に、利益を生まないコストがかかります。

これらのピンチをチャンスに変えるのが、オンライン販売です。
自動車は高額商品なので、買う前にインターネットやサイトでいくら大量の情報を集めても、最終的に実物を見ないと売買契約を結べません。
しかし、ネットを使った情報提供をさらに進化させれば、客が現車を見ないで購入を決断できるようになるかもしれません(*13)。このようなシステムが完成すれば、販売店の店員と客が接触しないことこそが、サービス向上になるでしょう。

さらに、販売店がネット戦略を充実させれば、SNSで客を囲い込んだり、故障や事故対応を短時間で実行したりといったこともできます。
客は、ネット・サービスが充実している販売店を選ぶようになり、同時にコロナ禍対策にもつながります。

*13:https://response.jp/article/2020/05/25/334903.html

医療現場で使っているオゾンを使ってみては

医療現場で使っているオゾンを使ってみては

自動車業界にも、従業員と客の健康と命を守る義務があると考えると、医療現場で導入されている高レベルのウイルス殺菌対策は、検討する価値があります。
医療現場での殺菌手法として、オゾンを紹介します。
オゾンには、工業製品の製造現場に相性がよい、という性質があります。

オゾンは新型コロナウイルスへの効果が認められた殺菌手法

オゾンは新型コロナウイルスへの効果が認められた殺菌手法

オゾン(O3)は、酸素(O2)と同じように酸素元素(O)だけで構成される気体です。酸素と決定的に異なる点は、オゾンが強力な酸化力を持つことです。オゾンはフッ素に次いで2番目に強い酸化力を持つ物質です(*14)。
酸化力は、ウイルスの遺伝子を包む殻や細菌の細胞膜などを破壊することから、殺菌力と考えることができます。

さらに、奈良県立医科大学などは2020年5月、オゾンに新型コロナウイルスを不活化させる効果があると発表しました(*15)。不活化とは、ウイルスを死滅させることです。

それだけではありません。
オゾンはコロナ禍以前から、大腸菌や黄色ブドウ球菌、インフルエンザウイルス、ノロウイルスなどに効果があることがわかっていて、病院などの医療現場でオゾン発生装置が使われてきました(*16、17、18)。

*14:https://www.ecodesign-labo.jp/ozone/info/1-1.php
*15:http://www.naramed-u.ac.jp/university/kenkyu-sangakukan/oshirase/r2nendo/documents/houdousiryou.pdf
*16:https://www.besonic.co.jp/ozone/ozone02.pdf
*17:http://www.teco.co.jp/wp/ozoneg/ozonegt/2101
*18:https://teco.co.jp/pdf/161220_noro.pdf

オゾンは医療現場でどのように使われているか

オゾンは医療現場でどのように使われているか

出典:藍の都脳神経外科病院

大阪市の脳神経外科病院は、コロナ禍対策として2020年5月、オゾン発生装置を100台導入しました(*19)。オゾン発生装置は、病院の受付、リハビリ室、放射線室などに設置しています。
また、オゾンを水に溶かしたオゾン水を、手指消毒に使っている歯科もあります(*20)。
このように医療機関では、アルコール消毒や塩素殺菌の「次の手立て」として、オゾンが注目されています。

*19:https://ainomiyako.net/2020/05/29/%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E4%BA%88%E9%98%B2%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%80%81%E3%82%AA%E3%82%BE%E3%83%B3%E7%99%BA%E7%94%9F%E8%A3%85%E7%BD%AE%E3%82%92%E5%B0%8E%E5%85%A5%E3%81%97/
*20:https://www.usui-dc.com/sp/if09.html

なぜオゾンが自動車業界に向いているのか

なぜオゾンが自動車業界に向いているのか

強力な殺菌力を持つオゾンですが、重大な欠点があります。それは、高濃度オゾンを人に吹きかけると、命に関わる重大な健康被害をもたらすことです。
ただ、時間が経過すると、オゾンは自然に酸素になります。またオゾンは自然界にも存在するので、低濃度であれば人が触れてもまったく問題ありません。

そのため、オゾン殺菌をした空間に、しばらく人を入れないなどの対応が必要です。また、農産品や魚介類をオゾン殺菌する場合は、効果が出る最も薄い濃度を探さなければなりません。

しかし、自動車工場なら、オゾンのこのような欠点は、あまり問題になりません。
部品や完成車は、オゾンを吹きかけても劣化することはありません。
工場を無人にしてオゾンを充満させれば、しっかり殺菌できます。しかもオゾン殺菌したあとは、オゾンが酸素になるのを待つこと以外、することはありません。

アルコールや塩素は素材を劣化させることがありますし、殺菌剤のなかには使用後に拭き取るなどの作業が必要なものもありますが、そのような面倒はオゾンには必要ありません。

そして他の業界では、オゾンを導入している工場がすでに存在します(*21)。オゾン発生装置とオゾン噴射装置(オゾン・シャワー)を工場内に設置して、夜間など作業員がいないときに稼働させています。
オゾン・シャワーは天井に設置します。オゾンの比重は空気の1.8倍なので、オゾンが天井から落下する間に空気中の浮遊微生物を殺菌し、さらに機械や台や床に付着したウイルスや細菌を殺すことができます。
これは食品工場での使用例ですが、同じことは自動車工場でも可能なはずです。

オフィス用のオゾン発生装置もすでに商品化されています(*22)。
自動車販売店のショールームは、夜間には無人になります。その間、オゾン発生装置を動かしておけば、「オゾン殺菌している店」としてPRすることができます。
こうしたPRは、実際の殺菌効果以上に、客に安心感を与えるでしょう。オンライン自動車販売システムが実用化されるまでは、アフター・コロナ下では、「クリーンな店」という評判は、ライバル店との差別化につながります。

*21:http://www.wako-system.co.jp/003.html
*22:https://www.bcnretail.com/news/detail/20200204_156926.html

まとめ~殺菌の王者、医療に学ぶ

まとめ~殺菌の王者、医療に学ぶ

トヨタが開発した「カイゼン」は、病院でも使われています(*23)。今度は自動車業界が、病院に学んではいかがでしょうか。コロナ禍対策や殺菌手法は、病院などの医療現場のほうが「上」です。
医療現場のコロナ禍対策は、健康・命対策でもあるので、これを使えば自動車業界も従業員や客をしっかり守ることができます。

*23:https://style.nikkei.com/article/DGXKZO93977700T11C15A1TZT001/

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