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野菜や果物の残留農薬の落とし方や除去方法〜詳しいデータと正しい対策

食品の安全性は、私たち庶民にとって重要な問題です。わが国でも、粉ミルクにヒ素が混入する事件や、食用油にダイオキシンが混ざってしまう事件など、食品にかかわる化学物質の事件がいく度も発生しています。

近年有機栽培が注目されていますが、大半の農作物は化学農薬によって栽培されたものです。少量ながらも食品に残留した農薬による健康被害を懸念する声もあるでしょう。では、残留農薬による健康被害のリスクはどの程度なのでしょうか。仮にリスクが残るとして、それから身を守る対策は存在するのでしょうか。

残留農薬の危険性

野菜や果物の残留農薬の落とし方や除去方法〜詳しいデータと正しい対策

野菜や果物など農作物と切り離せないのが、残留農薬の問題です。

農作物の生産性向上に欠かせない農薬

近年、化学的に合成された農薬を使わないで栽培する有機栽培が注目を浴びていますが、大半の農作物は農薬によって栽培されています。農林水産省によると、国内の栽培総面積461万ヘクタールのうち、有機農業による栽培は0.4パーセントの1.6万ヘクタールに過ぎません。

そもそも農薬の役割とは何でしょうか。害虫や雑草などから農作物を保護したり、成長を助ける効果のある農薬。その使用目的は、農作物の生産性の増大にあります。農林水産省によると、農作物に農薬を使用しないで栽培した場合の平均減益率は、30パーセントから99パーセントに及びます。

表1:農薬をしなかった場合の減収率

農薬を使用しなかった場合の減収率

※農林水産省の作成資料より

要するに、農薬なしには農業としての生計が成り立たないのです。加えて除草剤等の農薬の使用は除草作業の短縮につながるため、生産性向上に不可欠です。

図2:米づくりに必要な除草作業の労働時間の推移

米づくりに必要な除草作業の労働時間の推移

農薬の安全性を保障する農薬取締法

農薬の安全性を保障する農薬取締法

農薬は、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、成長を促進する植物調節剤やネズミを駆除するなどに大別されます。これらの効果を発揮するのは、農薬に含まれる有効成分のお蔭です。この有効成分の大半は無機化合物や有機化合物といった化学物質ですが、農薬に限らずすべての化学物質は人体への影響があります。化学物質が毒性をもち人体に悪影響を及ぼすかどうかは、その成分の用量によって決まるのです。そのため農薬取締法によって、安全性が確認された農薬だけが登録され、製造・使用できる仕組みになっています。

農作物や土壌に残留する農薬

農作物や土壌に残留する農薬

農薬取締法による規制があるにもかかわらず農薬に対する不安が払しょくされないのは、農作物や土壌に農薬が残留するためです。農薬が農耕地に散布されるとその大半は分解し減少しますが、一部は農作物や土壌に残留し続けます。この残留農薬が人体に影響を及ぼすリスクが懸念されるのです。

残留農薬は、日本で生産される農作物だけの問題ではありません。わが国の食料自給率はカロリーベースで39パーセントにしか過ぎず、多くは輸入に頼っています。輸入される農作物もまた各国が設定した農薬の残留基準によってチェックを受けるものの、2008年には中国産鶏肉やエチオピア産生鮮コーヒー豆から残留農薬が検出されました。自給率の観点から眺めれば、輸入食品における残留農薬の問題のほうが大きなウェイトを占めるのが実情です。

輸入品の残留農薬を規制するポジティブリスト制度

農薬の残留基準の設定は各国によって異なります。一日あたりの摂取許容量(ADI)を食品安全委員会で設定し、このADIの80パーセントを超えないように食品ごとに基準が設定されています。気候風土や害虫の種類の違いなど、国の事情が反映するため、食品ごとの基準に違いが生じます。

わが国では輸入食品の残留基準を評価するために、ポジティブリスト制度が導入されています。かつては日本で農薬の残留量の基準が設定されていない場合、その量がどれだけ多く含まれていても法律違反にはなりませんでした。ポジティブリスト制度によると、日本で農薬の残留量が設定されていない場合でも、国際基準に照らし合わせて規制が可能になります。

具体的には、日本の基準で未定の農薬の場合、許容残留量を一律に0.01ppm(100万分の1)以下に定めてあります。これは、野菜1kg当たり農薬1mgに相当する量です。0.01ppmという数値は、EU諸国や北米の国と比較しても、非常に厳しいものです。

表3:主要国の許容残留量の上限

代表的な国農薬の許容残留量
日本0.01ppm
ドイツ0.01ppm
アメリカ0.01〜0.1ppm
カナダ0.01ppm
ニュージーランド0.01ppm

※農林水産省の資料をもとに作成

ポジティブリスト制度により、日本の基準に含まれない農薬が輸入食品に使用された場合でも、適切に規制することが可能になります。

残留農薬の再評価制度と実情

残留農薬の再評価制度と実情

ポジティブリスト制度は残留農薬のリスク軽減に貢献していますが、その一方で残留農薬による実害や最新科学の知見によって基準が変更される点も見逃せません。たとえば近年その使用が一部で問題視されているネオニコチノイド系農薬。日本でも水稲の箱苗に使用されるなど、広く普及した農薬です。欧州委員会は2018年11月にネオニコチノイド系農薬のうち3種類の使用を禁止しました。ネオニコチノイドにより巣からミツバチが消える現象が多発したためです。

欧米では1991年から、農薬の再評価制度が導入されています。日本でもようやく、2018年12月の農薬取締法の改正によって、この再評価制度が導入されました。定期的に最新の知見に基づいて、すべての農薬の再評価を行なうとしています。

農薬の安全評価の困難さを示す事例として、農業大手メーカーの独モンサント社が販売する除草剤ラウンドアップを取り上げましょう。ラウンドアップによる残留農薬によりガンが発症した患者がモンサント社に訴訟を起こしました。その結果、ラウンドアップに含まれる化学物質グリサポートの発ガン性が認められ、2018年と2019年に有罪判決が下されました。

このグリホサートの発ガン性について、研究機関によって意見が分かれています。米環境保護局(EPA)はグリホサートが発がん性のリスクが低いという報告を行なう一方、世界保健機関(WHO)の外部組織である国際がん研究機関(IARC)はグリホサートがヒトに対し発ガン性の可能性があると発表しています。

このように残留農薬のリスクに関して検査が厳しく行われるものの、ネオニコチノイド系農薬のように新しい知見によって評価が変わるだけでなく、グリサポートのように評価が分かれるケースも存在するのです。

残留農薬から身を守るためには

残留農薬から身を守るためには

では、残留農薬から身を守る対策は存在するのでしょうか。

先述のように、除草剤から殺菌剤に至るまで幅広い種類の農薬が普及しています。殺菌に限ると、農薬だけが殺菌効果をもつのではありません。たとえば塩素系薬剤やオゾン、紫外線もまた殺菌効果をもちます。そのなかでも、近年注目を浴びるのが、オゾンです。

強力な酸化力をもつオゾン

イラストで簡単に理解できるオゾン消臭除菌の仕組み

オゾンは、酸素原子が3個結合した分子です。オゾンは不安定な物質のため、短期間で酸素分子と酸素原子とに分解されます。そのため、オゾンから分化した酸素原子がほかの金属や有機化合物と酸素原子とが結合します。これがオゾンの強力な酸化作用の源です。その酸化力は、塩素の数倍以上ともいわれます。オゾンの強力な酸化力を生かして、酸化剤や殺虫剤、漂白剤などに用いられます。事実、オゾンはとくにタンパク質と反応し、微生物を酸化分解する効果をもちます。

オゾンが発ガンを示すことは、現在のところ報告されていません。高い濃度でオゾンを吸うと悪影響がありますが、適切な使用を行なえば、塩素系薬剤よりも安全性の高い物質といえます。実際、塩素系薬剤である次亜塩素酸ナトリウムとオゾン水による食材洗浄を比較した結果、次亜塩素酸ナトリウムでは食材と排水からクロロホルムが検出されたという報告があります。

食材や土壌の殺菌、農薬分解にも使用可能なオゾン

食材や土壌の殺菌、農薬分解にも使用可能なオゾン

出典:産経新聞 https://www.sankei.com/life/news/181121/lif1811210035-n1.html

食品分野でのオゾンの使用法は多岐にわたります。たとえば、カット野菜工場など食品加工場での食材洗浄にオゾン水が利用されています。理由は、従来殺菌等に使用されてきた次亜塩素酸ナトリウムと比べ残留性が少ないことから、安全性が高いからです。

カット野菜の洗浄だけでなく、オゾンを農業用土壌に散布する試みも実施されています。残効性もないことから、病害虫への効果が認められるならば、農薬を散布するよりも安全な農業が可能になります。残留農薬の心配がなくなる意味で、私たちにとってもメリットがあります。

加えて、オゾンには農薬を分解する効果もあります。農薬の分解には、オゾンのほかにも塩素などが活用可能です。オゾンによる農薬除去率に関しても報告があり、それによるとオゾン分子との反応性の高い部位をもつ尿素系除草剤や有機リン系除草剤、有機塩素系殺虫剤等の農薬では除去率の高さが確認されています。

このように、病害虫の殺菌や農薬の分解を安全に実施できるため、オゾンの農業や食品工場での活用は今後はますます広がっていくだろうと考えられています。

食品関連での需要の高いオゾン発生器

食品関連での需要の高いオゾン発生器

出典:簡易型オゾン水生成器「オゾンバスター

殺菌や農薬分解に効果的なオゾン。各メーカーによってオゾン発生装置が販売されています。オゾンガスを発生する装置やオゾン水発生器まで装置の種類は多岐にわたります。また用途に応じて、家庭用オゾン発生装置など小規模なオゾン発生器まで存在します。

オゾン発生器が食品に使用される割合も、わが国では高くなっています。食品や飲料に使用されている大型のオゾン発生器は、全体の12.6パーセント。この割合は浄水処理の42.7パーセントに次ぐ数字です。中・小型のオゾン発生器もまた、全体の28.5パーセント(第2位)が食品加工場や食品・飲料店などで使用されるなど、その需要は非常に高いといえます。

このようにオゾン発生器は、残留農薬問題を解決するオプションのひとつとして期待できるのです。

残留農薬の健康被害を防ぐオゾン

残留農薬の健康被害を防ぐオゾン

食品の安全性を脅かす残留農薬問題。農薬取締法により残留農薬による健康被害のリスクは低いものの、新しい知見によりその評価が変更されたり、研究機関によって意見が分かれるのも事実です。

残留農薬から身を守るための方策のひとつとして、オゾンによる処理が挙げられます。オゾン水による食材洗浄だけでなく、オゾンを農耕地に散布することで病害虫の殺菌が可能になります。また農薬の分解も一部で認められるなど、オゾンは食品による健康被害のリスクを低下させます。オゾンの取り扱いには注意が必要ですが、発ガン性が確認されない、オゾンの残効性は低いなど、塩素系薬剤よりも安全性の高さが認められます。

農薬による健康被害のリスクから私たちを解放するオゾン発生器。その需要がますます高まることが期待されます。

この記事を読んだ人におすすめの製品

家庭用オゾン水生成器「オゾンバスター」
オゾン水生成器「オゾンバスター」

家庭用・業務用兼用として幅広く利用されている簡易型オゾン水生成器「オゾンバスター」10Lまでの水量ならこの機種で決まり。生成可能オゾン濃度は最大5ppm。ご家庭の野菜や果物の農薬除去から歯科医院では除菌水生成に使われている。野菜や農薬の農薬除去なら、ゴシゴシ洗うことなく、オゾンバスターで生成したオゾン水に1分程度浸け置きするのみでOK。

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〜10Lまでならこの製品で決まり!
製品名オゾンバスター
処理可能水量〜10L
生成可能濃度〜5ppm
操作性
実績
適用範囲12〜30畳
販売価格27,800円

<参考>
森永ヒ素ミルク事件とカネミ油症事件。国内における食品に係る化学物質による事件は次を参照されたい。https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=cho20060331050&fileId=02-001
根拠は後述のとおり。
農薬工業会のHPよりhttps://www.jcpa.or.jp/qa/a1_02.html
同上
http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_tisiki/tisiki.html
http://www.maff.go.jp/kanto/kihon/kikaku/kihonkeikaku/pdf/zen27.pdf
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/05/h0509-6.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/zanryu/faq.html
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000059523.pdf
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/zanryu2/dl/060329-1f.pdf
https://www.natureasia.com/ja-jp/ndigest/v12/n7/%E3%83%8D%E3%82%AA%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%81%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89%E7%B3%BB%E8%BE%B2%E8%96%AC%E3%81%AE%E5%8D%B1%E9%99%BA%E6%80%A7%E3%82%92%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8B%E8%AD%B0%E8%AB%96%E3%81%AF%E6%AC%A1%E3%81%AE%E6%AE%B5%E9%9A%8E%E3%81%AB/64910
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002218.html
http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_kaisei/h300615/index.html
『水 : 基礎・ヘルスケア・環境浄化・先端応用技術』大森豊明 編, p.425.
『OHラジカル類の生成と応用技術』エヌ・ティー・エス編, p.60.
オゾン発生器の安全性については、http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20090827_1.pdfを参照されたい。
「直接電解オゾン水の食材洗浄への応用」
『水 : 基礎・ヘルスケア・環境浄化・先端応用技術』大森豊明 編, p.425.
「農薬の塩素処理およびオゾン処理過程における分解生成物の挙動と生体影響」(『化学物質と環境』2011年3月号)
『オゾンハンドブック 改訂版』p.345.
『水資源関連市場の現状と将来展望 2016年版』富士経済 編, p.178-179.

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