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飲食店の臭いトラブルを改善するには?臭気対策の原因から解決まで

街を歩いていると焼き鳥や焼肉などのニオイが食欲をそそります。これは、わざと焼いた煙を店の外へ出して、お客様の胃袋を刺激し、お店を繁盛させるための一つのコツです。また、コーヒーの焙煎した香りや焼く、煮る、炒めるなどの調理臭も、一般的には「美味しそうでいいニオイ」と感じられます。

しかし近隣で毎日同じニオイを嗅がされている住民にとっては、迷惑になる場合もあるのです。それぞれの店で違う開店から閉店までの時間、混雑するピーク時間、それらに合わせた仕込み時間などによっては強いニオイが出る場合もあります。さらに、廃棄した材料(野菜くず、調味料など)から腐敗臭が発生することも。

特に飲食店は人通りが多い街中で営業していることが多く、周辺がビルや住宅と比較的近い距離や場所に建っていることも多いです。このような立地条件では、換気扇やダクトから排出されたニオイが拡散されることなく、強いニオイのまま周辺を漂ってしまい悪臭苦情を引き起こすことがあります。

実は飲食店における悪臭苦情については、事業者の方が「調理臭が悪臭になることもある」という意識が薄い場合が多いために起こることが多いようです。「自分の店は苦情がきていないから大丈夫」と、まだ悪臭の苦情が発生していなくても安心はできません。もしかしたら周辺では我慢をしているかも知れないのです。苦情が発生する前に自分の店が悪臭を放っていないか?チェックしましょう。

この記事では、飲食業における臭気トラブルの原因から解決までを紹介します。ぜひ参考にしてください。

飲食店の臭いトラブルの原因を絶つ

飲食店の臭いトラブルを改善するには?臭気対策の原因から解決まで

まず、自分の事業場(店舗や工場)からニオイが出ていないかの確認をしましょう。そしてニオイが出ていた場合は、どこから出ているか?また、そのニオイがどういう状況でどこから発生しているかを調べることです。

<ニオイの調べ方>
店の周辺を歩いて回り、事業場からのニオイが届いているか数名で確かめます。このとき重要なのが、許容できるかどうかではなく、ほんのわずかでもニオイが感じられるかどうかがポイントです。

本来、私たち人間の嗅覚にはそれほど個人差はないのですが、普段店舗や工場などの現場にいる人はもっと強いニオイがついてしまうため、わずかなニオイが感じにくくなります。一方、周辺住民は外に干していた洗濯物や布団にそのニオイがついてしまうので、かすかなニオイでも敏感に感じ気になるものです。

しっかりとどの辺で、どんなニオイがどのくらいの強さで感じられるかを記憶しておきましょう。それを元に仕込み作業や営業時などの作業内容で、ニオイの有無や質を確認することです。

<ニオイを元から断つ>
臭気問題の一番の解決方法は「ニオイの元を絶つこと」です。作業工程の見直しや使う器材、材料の変更や日々のこまめな清掃の実施などにより、ニオイの発生を抑え大きく軽減してくれることがあります。

【調理】
窓からニオイがもれている、ニオイが強烈な工程がある場合・・・出入口を開放しない、調理時間を変更する、ニオイの強い工程を別の場所で作業する。

【排水】
側溝に残った排水が腐っている、固形残渣が混じっている・・・清掃をする(グリストラップ、排水溝、側溝まで)、エアレーションタンクの散気装置を交換する、下水道へ放流する、単独浄化槽から合併浄化槽に変更する。
業務用オゾン発生器の中には、「オゾンクラスター1400」のように、本体から付属のチューブ・エアレーションストーンを伸ばし、グリストラップの「油対策」「ニオイ対策」「虫対策」が可能な機種もあります。

【ごみ】
回収するまでの期間が長い、腐りやすい生ものがある・・・ごみ容器の密閉化、保管期間を短くする、保管温度を低くする、ごみ置き場の清掃の徹底(ごみを放置しない)

どんなニオイがどこから出ているかが確認できたら、ニオイを元から断つ工夫をすることから始めることです。

臭いを出来る限り薄める

臭いを出来る限り薄める

上述した内容でもまだニオイが減らない場合は、排出したニオイを出来る限り薄める努力をしましょう。排出されたニオイは徐々に薄まりながら広がり、やがて地面近くに到達するので、隣家までの距離が遠くなればなるほどニオイは薄くなります。

具体的にいうと、近隣の建物より高いところから排出し、早く薄まりやすくするため風通しのいいところに排出できるように排出ダクトの高さを工夫することです。もちろんその前に排出ダクトの高さに、アパートやマンションの窓がないか確かめることは必須事項。また排出ダクトの位置及び向きも近隣の建物から遠ざけるように工夫しましょう。

【排気口の近く(屋外)】
隣家に排気口が向いている、狭い空間に排気している・・・排気口の向きを変える、排気口を伸ばし高いところから排出する
※同じ強さのニオイでも排出口の高さや向きによって異なるため、排気口の高さが低いと苦情が出やすく、高いと出にくい傾向にあります。

【調理場全体(室内)】
うまく換気されず室内にニオイがこもる、排気口が油で汚れている・・・発生直後のニオイを室内に広がる前に少風量で吸引する、ニオイの元の汚れを清掃する。

ニオイは遠く離れた場所からでも、そのときの排出口の向きや風向き、ニオイの強さによってどこからでも流れてきます。近くにニオイを発生させるものがなくても、どこからともなく食べ物のニオイがしてくる、といったことを経験したことがありませんか?このニオイを感じた人が、いいニオイか悪臭と感じるかはその人次第ですが、遠くにいる人が感じるということは、そこにたどり着くまでの人たちにも臭っているということ。
ニオイを元から断てない場合は、できる限り薄める工夫をしましょう。

料理のメニューから対策を見つける

さまざまな飲食店がありますが、どんな種類の料理を作る店舗か?
というのも、それぞれのニオイ対策になります。焼く、煮る、揚げるなどの調理方法から、食材や調味料のニオイが悪臭の元となるので、それぞれに合った対策方法が必要です。
次に紹介するのは、食材や調味料、調理方法から発生するニオイ対策です。もし心当たりがある場合は、試してみてください。

ニオイの特徴どんな対策があるのか主な調理メニュー
焼いた焦げ臭排出口変更、油煙除去、脱臭装置など焼鳥、焼肉、うなぎ、お好み焼き、居酒屋など
ニンニク臭別の場所で作業、作業時間の変更、排出口変更、脱臭装置などイタリアン、ピザ、キムチ、ハンバーガー、中華料理など
揚げ物の油臭油煙除去、排出口変更などとんかつ、天ぷら、中華料理など
煮炊きするニオイ発生源の密閉化、排出口変更などラーメン、総菜、弁当など
発酵のニオイ発生源の密閉化、排出口変更などパン、ケーキなど
コーヒー焙煎臭排出ガスの燃焼、排出口変更など焙煎コーヒー
スパイスのニオイ排出口変更、脱臭装置などカレー、インド料理、タイ料理など
水産物の生臭さ発生源の密閉化、排出口変更など総菜、弁当、海鮮、水産食品など
排水のニオイ清掃の実施(グラストラップ、排水溝、側溝まで)など総菜、弁当、うどん、海鮮、水産食品など

参考:環境省水・大気環境局大気生活環境室『飲食業の方のための「臭気対策マニュアル」』より

ニオイの特徴どんな対策があるのか主な調理メニュー
焼いた焦げ臭排出口変更、油煙除去、脱臭装置など焼鳥、焼肉、うなぎ、お好み焼き、居酒屋など
ニンニク臭別の場所で作業、作業時間の変更、排出口変更、脱臭装置などイタリアン、ピザ、キムチ、ハンバーガー、中華料理など
揚げ物の油臭油煙除去、排出口変更などとんかつ、天ぷら、中華料理など
煮炊きするニオイ発生源の密閉化、排出口変更などラーメン、総菜、弁当など
発酵のニオイ発生源の密閉化、排出口変更などパン、ケーキなど
コーヒー焙煎臭排出ガスの燃焼、排出口変更など焙煎コーヒー
スパイスのニオイ排出口変更、脱臭装置などカレー、インド料理、タイ料理など
水産物の生臭さ発生源の密閉化、排出口変更など総菜、弁当、海鮮、水産食品など
排水のニオイ清掃の実施(グラストラップ、排水溝、側溝まで)など総菜、弁当、うどん、海鮮、水産食品など

参考:環境省水・大気環境局大気生活環境室『飲食業の方のための「臭気対策マニュアル」』より

一般的な飲食店のニオイの発生源と対策を表にしてみましたが、見てもわかる通り対策方法は、いずれも少し考えれば実施できるものばかりです。脱臭装置はコストはかかりますが、手っ取り早く消臭できる方法でもあります。ですがこのとき、一般的な空気清浄機では脱臭はできませんので避け、業務用の脱臭機、またはオゾン発生器が最適解です。詳しいことは後述します。

また、表を見るとほとんどが「料理のニオイ」ではなく、「調理臭」であることがわかると思います。これは「環境省水・大気環境局大気生活環境室」に記載されているアンケート結果でも結果が出ています。

【飲食店におけるニオイ発生源の割合】
1位・・・調理臭
2位・・・排水
3位・・・ごみ
4位・・・その他
(平成22年度地方公共団体アンケート結果より)

調理の過程では「切る、こねる、発酵、煮る、焼く、蒸す、炒める」など、さまざまな工程が行われます。料理が完成する前は、一つ一つの食材のニオイや工程によって発生するニオイも考慮しなくてはいけません。

たとえば、ニンニクは料理の風味を楽しんだり、料理そのものアクセントのために使用されることが多い食材です。ただ調理過程においては、ニンニクのニオイはとても強いため処理方法によっては、苦情の原因となります。

そして、海鮮の生ものも独特な生臭さを発生させるので、調理過程では生臭さを取るためにさまざまな工程を行う食材の一つです。特に魚をさばいたあとの内蔵は、すぐに処理をしないとかなりの悪臭となってしまうので近隣住民から苦情が発生する可能性は大いにあります。

こういったそもそもニオイが強い、または独特なニオイを持った食材は、調理をする前にニオイが漏れ出ないよう密閉できるゴミ箱や、専用の入れ物を用意するべきです。毎日のことなので実際に調理に関わる人は、このニオイに気がついていない人も少なくありません。今一度、調理場の環境を見直してみてください。

また、店舗があまり広くない場合、揚げ物や焼き物などのニオイが店内に充満することで、苦情どころか人が寄り付かなくなることもあります。この場合は店内の床や壁、天井などに油臭が染みついていることが考えられるので、こまめに清掃することをおすすめします。

そもそも本来は、飲食業をはじめる際にこういったニオイ対策を考えるべきなのですが、ニオイは目に見えないこともあり意外と見落としてしまいがちなことです。苦情が発生する前に改めてメニューと調理工程を考えてみてもいいのではないでしょうか。

同業者が実践している臭気対策を見つける

同業者が実践している臭気対策を見つける

続いては、同業者が行っているニオイ対策を参考にしてみましょう。同じ飲食業の方がどんなニオイ対策をしているのか?自分の店はニオイがするのに、なぜこっちの店は臭わないんだろう?と気になったことはありませんか?そこで同業者が実践しているニオイ対策を調べた結果と、それぞれの事例を簡単に紹介します。

第1位〜清掃やメンテナンスを実施する

第1位〜清掃やメンテナンスを実施する

【実施すること】
・排気ダクトの清掃
・床や壁の清掃
・においの発生源となるようなものを屋外に置かない
・事業場全体の美化に努める

事例1<中華料理・厨房排気>→<清掃やメンテナンスの実施>
ダクトから排出される調理臭と油煙について苦情が発生→油汚れがひどいため、ダクト内の清掃を業者に依頼した。

事例2<コーヒー豆の焙煎所>→<脱臭装置の設置>
隣接するマンション住民より、コーヒー豆を焙煎するニオイが洗濯物に付着したり、窓を開けておくと部屋に充満すると苦情が発生→店舗内には空調整備がないので、作業中は窓やドアを開放したままであった。そこで、「アフターバーナー」という臭気の元となる排気を燃焼させる装置を設置した。

事例3<マグロの加工>→<原材料・製品・廃棄物の保管法の改善>
保冷庫から収集運搬車へマグロの残渣を移す際に、腐敗臭が漏洩し近隣住民から苦情が発生→夏季は保冷庫の設定温度を低くするとともに、残渣の保管期間も短くした。

第2位〜排出口の高さや向きの変更

第2位〜排出口の高さや向きの変更

【実施すること】
・周辺の住宅やビルの吸気口に排出ガスが直接向かないようにする
・できるだけ拡散するように排出する

事例4<焼肉店・客席・厨房排気>→<排出口の高さや向きの変更>
隣接する建物で焼肉店を営業する前に、近隣住民からニオイが気になるとの相談→店舗営業前の相談であり、焼肉店側にも事前に同様の申立てがあったため、設計を変更し屋根に排気口を設置した。

事例5<ラーメン屋・厨房排気>→<原材料・製品・廃棄物の保管法の改善>
排気口から仕込み等の調理臭が排出され、隣家から苦情が発生→建物の隙間から臭気が漏れることを防ぐための目張りを行った。さらに排出口の向きを変更し、ダクトを立ち上げる対策をした。

第3位〜臭気発生作業の内容変更・中止

第3位〜臭気発生作業の内容変更・中止

【実施すること】
・加工温度などの条件の変更
・においが発生する工程を別の場所で行う

事例6<イタリアン・厨房排気>→<臭気発生作業の内容変更・中止>
換気扇からニンニク臭が排出され、苦情が発生→仕込み材料として、昼間にニンニクをオリーブ油でいためていたが、苦情の発生しにくい時間帯をみつけ、その時間に臭気の発生する調理をするようにした。

事例7<弁当・総菜製造・その他>→<臭気発生作業の内容変更・中止>
弁当箱を屋外で洗浄していたため、残飯や食用油のニオイが常時発生し、近隣住民から苦情が発生→対策について協議した結果、弁当箱洗浄作業については、系列会社にて作業することにした。
(参考:「環境省水・大気環境局大気生活環境室」より)

飲食店で実際に実施された臭気対策をほんの一部紹介しましたが、どのトラブルも日常的に起こり得る内容です。ぜひ参考にしてください。

脱臭装置の設置

脱臭装置の設置

飲食店に導入される脱臭機(オゾン脱臭法)「オゾンクラスター1400

どうしても上記のような対策が難しい場合は、脱臭装置を設置しましょう。コストはかかりますが手っ取り早くニオイを除去する装置がいくつかありますので紹介します。

【燃焼法】
臭気成分を燃焼させ、ほぼ完全に分解する装置です。方式は、直接燃焼、触媒燃焼、蓄熱燃焼の3つ。ほとんどの臭気に有効なのが特徴で、高温、高濃度の臭気に有効なのがポイントです。

【オゾン脱臭法】
酸化力が強いオゾンを発生させ、臭気成分をもとから分解する方式です。オゾンは空気中の酸素を原料として生成されるため、特別な薬品を必要とせず、またオゾンには残留性がないことから、多くの飲食店で導入されています。最近日本の飲食店でも業務用オゾン発生器を見かける機会は増えてきましたが、海外の飲食店で消臭や除菌、グリストラップ対策といえば、以前からオゾンがスタンダードです。

【吸着法】
臭気成分を活性炭や各種吸着剤で吸着して除去する方式です。装置は単純で、動力は送風機のみで運転が簡単なのがメリット。広い範囲で使用でき、維持管理も簡単なので使いやすいのが特徴です。

【洗浄法】
水あるいは酸やアルカリなどの薬液と臭気成分とを接触させ吸収除去する方式です。オゾンなどの酸化剤を使用する場合もあります。装置は簡単で動力が少ないのが特徴です。

店舗や周辺の建物の間が狭い場合は、店内にニオイがこもったり、ニオイが漏れ出たりする場合も少なくないので、思い切って脱臭装置を設置してみるのも一つの手です。店内や周辺にニオイが出なければ、お客様も「清潔な店」と感じてくれて、また足を運んでくれます。

ニオイが発生するというのは「そこにニオイの原因があるから」です。ニオイはするけど、何が臭っているのかわからない店内ではお客様は不安になります。焼肉店や焼鳥店ならわかりますが、飲食店の客席ではあまりそういった臭いはしないものです。店舗や周辺の状況に応じて、オゾン発生器等の脱臭装置を設置してみましょう。

飲食店の臭気対策にかかる費用

飲食店の臭気対策にかかる費用

最後に飲食店の臭気対策にかかる費用についてお話します。

清掃やメンテナンス、厨房排気や脱臭装置など、さまざまな方法で臭気対策が行われていますが、できるだけコストは抑えたいものです。本格的な排気ダクトの工事となると、結構な費用(工事内容によって数万円~数百万円)がかかってしまいます。

排気口やダクトは、建物を建設する際に組み込まれるので、あとから個人が向きを変えたり伸ばしたりというのは、なかなか難しいことに加え費用も莫大にかかるので大変です。そうなると、手っ取り早くコスト的にも工事をするよりは、比較的低コストの脱臭装置がおすすめ。

一般家庭用の空気清浄機ではなく、業務用の脱臭機がいいでしょう。業務用ですので一般家庭用よりはコストは高くなりますが、脱臭だけでなく菌やウイルスも排除してくれるので、衛生的にも大変優れています。

苦情が発生して解決できず、最悪の場合は裁判で損害賠償を請求されることもありますので、工事費や脱臭機の購入費をケチったばかりに、莫大な請求をされては身も蓋もありません。飲食店を経営されている方、これから経営しようとしている方、ニオイ対策には敏感に対処しましょう。

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