人や動物がいる環境下で安心・安全に使用することを想定してつくられたオゾン発生器は、業務用と比較して「家庭用オゾン発生器(※1)」や「有人環境専用設計のオゾン発生器」「低濃度オゾン発生器(※2)」などと呼ばれています。(すべて同じ意味です)
今回は、その中でも人気が高い「バクテクターO3(TM-11MFE)」「オゾンクルーラー」「エアバスター(TM-11SF)」の3機種を詳しく比較してみたいと思います。この記事が、低濃度オゾン発生器の導入を検討している人や機種選定に悩まれている方のお役に立てば嬉しく思います。
また、本記事の目的は「3機種の比較」になりますので、オゾンやオゾン発生器の基礎知識などについては、別ページをご覧下さい。
※1「家庭用」と呼ばれていますが、一般家庭専用というわけではなく、オフィスや病院の待合室など人がいる環境下で幅広く利用されています。
※2「低濃度オゾン」に厳密な定義はありませんが、この場合の「低濃度オゾン発生器」とは一般的に人や動物がいる環境下で24時間常時稼働させても安全な範囲のオゾン濃度環境下を継続して維持するオゾン発生器を指します。
目次
※重要な項には重要を付けています。
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※重要な項には重要を付けています。
3機種についての簡単な説明と比較する理由
今回、比較する機種は低濃度オゾン発生器と呼ばれる中でも、非常に人気が高い「バクテクターO3(タムラテコ)」「オゾンクルーラー(オゾンマート)」「エアバスター(三友商事)」の3機種です。
共通して言えることは「人や動物がいる環境でも安心・安全に使用できる有人環境専用設計の低濃度オゾン発生器」であることです。
一応、用途区分としてはバクテクターO3とエアバスターが業務用、オゾンクルーラーが家庭用となっていますが、この「業務用」「家庭用」という区分は想定する利用シーンを考慮して、メーカー側がそう分けているだけで「業務用=無人環境」あるいは「家庭用=有人環境」という意味ではありません。
実際、バクテクターO3とエアバスターは「業務用」として販売されているため、当サイトでも業務用オゾン発生器に属しますが、有人環境で使用する製品です。
<3機種を比較する理由>
有人環境専用設計の低濃度オゾン発生器で、今もっとも人気が高い3機種だからです。
「人気」とは、導入事例の件数、お問い合わせ件数、製品個別ページのアクセス数、口コミや評判の件数及び内容などになります。
※ちなみに、4番人気はエアフィーノ、5番人気はエアクローバーとなります。
スペックと値段の比較
まずは基本的なスペックと値段を比較してみましょう。
バクテクターO3 | オゾンクルーラー | エアバスター | |
---|---|---|---|
使用環境 | 有人 | 有人及び無人(モードによる) | 有人 |
オゾン発生量 | 10〜40mg/hr(無段階可変) | 33〜200mg/hr(モードによる) | 20〜50mg/hr(4段階の切り替え) |
風量 | 278/min〜435L/min(※1) | 514L/min | 216L/min〜316L/min(※2) |
適用範囲 | 6〜50畳 | 12〜30畳 | 6〜50畳 |
外形寸法 | W180mm×H200mm×D76.8mm | W160mm×H230mm×D160mm | W195mm×H211mm×D134.5mm |
重量 | 2.1kg | 620g | 1.1kg |
消費電力 | 9W | 12W | 9W |
運転仕様 | オゾン自動制御モニター(オプション)による24時間連続稼働 | モード式による24時間連続稼働 | 4段階で切替可能なオゾン発生量を選択し、人感センサー標準装備で24時間連続稼働 |
設置方法 | 置き型・壁掛け | 置き型 | 置き型・壁掛け |
メンテナンス | 必要 定期的にオゾン発生体の水洗い。(フィルターやランプ等の消耗品交換はなし) | 不要 | 必要 定期的にオゾン発生体の水洗い。(フィルターやランプ等の消耗品交換はなし) |
値段 | 186,000円(税抜) | 49,800円(税抜) | 192,000円(税抜) |
※1 メーカー公表の「16.7〜26.1m3/hr」を分単位に修正
※2 メーカー公表の「13〜19m3/hr」を分単位に修正
この比較表で主に重要なポイントは「オゾン発生量」「風量」「適用範囲」「運転仕様」「メンテナンス」「値段」だと思いますので、それらについて以下少し解説します。
<オゾン発生量>
オゾンクルーラーはモード式のオゾン発生器です。モード2(オゾン強モード)は人や動物がいない環境で使用し、モード3(オゾン弱モード)が人や動物がいる環境で使用できるモードになります。そのため、モード3のオゾン発生量と他2機種を比較すると、概ね3機種とも同程度と考えて差し支えないでしょう。
<風量>
風量は適用範囲を構成する大きな要素です。風量を公表せずに「適用範囲60畳」などという商品があっても鵜呑みにするのはやめましょう。何故なら、適用範囲を裏付ける大部分の要素が風量だからです。
風量が0の小型オゾン発生器は少なくありませんし、それ自体が悪いわけではありません。特に10畳以下などの対象空間においては風量0でも問題ありません。風量が0の製品については「自然対流」になるため、適用範囲は上限値として16畳程度だとお考え下さい。
<適用範囲>
3機種とも共通して言えることは、しっかりと風量を公表したうえでの根拠ある適用範囲になっている点です。
また下限値が設定されていることは、メーカーがしっかりと安全性を考慮している証拠です。
たとえば、「〜50畳」と「6〜50畳」では全然意味が異なります。下限値が設定されているということは、「それ以下では使用しないで下さい」という意図が含まれています。理由は、狭すぎる対象空間で使用すれば意図せずオゾン濃度が高くなってしまう可能性があるからです。
下限値を設定しない製品にはくれぐれもお気をつけ下さい。
<運転仕様>
バクテクターO3はオゾン自動制御モニター(オプション)による24時間連続稼働、オゾンクルーラーはモード設定による24時間連続稼働、エアバスターは人感センサー標準装備で24時間連続稼働となっています。
ただし、バクテクターO3の自動制御モニターはオプションになるのでご注意下さい。
<メンテナンス>
バクテクターO3とエアバスターが定期的にオゾン発生体の水洗いが必要であり、オゾンクルーラーはメンテナンス不要になっています。
<値段>
オゾンクルーラーが最安で、バクテクターO3とエアバスターはおおよそ同程度の値段です。
よく「製品寿命は?」というお問い合わせをいただきます。
利用頻度や利用環境にもよるので何とも言えませんが、3機種とも概ね3〜7年(メーカー公表ではありません)といったところでしょうか。
結局どれを選ぶべきなのか〜比較の意味を考える
値段を比較すると、オゾンクルーラーがもっとも安いのですべての人がオゾンクルーラーを選ぶべきなのか。
もし、壁掛け設置を必須条件として製品を探しているのであれば、オゾンクルーラーは壁掛け設置できませんから、答えは「No」です。
適用範囲が広いからバクテクターO3かエアバスターを選ぶべきなのか。
たとえば50畳のスペースに設置することを考えている場合、オゾンクルーラーを2台設置してもバクテクターO3とエアバスターの半額程度の出費で済みます。
比較するのは、表にあるどれか1つの項目をみて決めるためではありません。
比較をする目的はいろいろありますが、もっとも重要なことは「利用シーンや絶対に外せない条件を考慮したうえで、上手に妥協するため」だと思います。
こんな人にはこの機種がおすすめ
あなたが今、人や動物がいる環境下で使用する低濃度オゾン発生器を探している場合、導入事例の件数・口コミや評判・これまでの実績などを考えると(適用範囲を守って使用することを前提に)、正直、この3機種はどれを買っても後悔することはないでしょう。
しかし、利用シーンや絶対的に外せない条件などを考慮すれば、次のように選ぶことができます。
<バクテクターO3>
壁掛け設置必須、1台で31畳以上のスペースに対応する必要がある、オゾン自動制御モニター(オプション)必須
<オゾンクルーラー>
可能な限り安いほうが良い、ノーメンテナンスの製品を探している、モード機能必須、比較的風量が多量(拡散力)の製品を探していた、できる限り軽量の製品が良い
<エアバスター>
壁掛け設置必須、1台で31畳以上のスペースに対応する必要がある、人感センサー必須
上記は絶対に外せない条件を考慮した場合の選び方です。
たとえば、壁掛け設置が必須の場合、バクテクターO3とエアバスターは両方とも可能ですし、価格もそう違いはありません。よって、それ以外の項目を比較して、よりあなたの利用シーンや環境にあった方を選べば良いと思います。
比較表を参考に、まずは絶対的に外せない条件がある場合はそれを最優先に考え、特にない場合は上手に妥協するなどして、あなたにピッタリの1台を見つけて下さい。
この記事が、低濃度オゾン発生器を探しているあなたのお役に立ったのであれば大変嬉しく思います。